君だけを……。
頬を押さえながら、彼女に言った。
そしたらすぐに言い返された。
「それはこっちのセリフよ!
あんたのせいで……
あんたのせいで直樹がっ……!」
「直樹?」
急に直樹の名前が出て来て、驚いた。
だけど、すぐに気付いた。
他校の可愛くて、直樹の知り合いって言ったら、彼女しかいないじゃん。
そう思ってると、彼女さんは走って逃げてしまった。
一体何だったのか分からないけど、頬の痛みと胸の痛みだけが残った。