君だけを……。



「本気」




最後まで強気で言った。


表情も変えず、隙を作らず。




「そっか。分かった」




なんとか納得してくれたみたいで、直樹は帰って行った。



私はその場へ座り込みながら、直樹の背中を見つめた。


これが最後だから。




直樹が見えなくなると、そこから純ちゃんが来た。


私が座り込んでることに気付くと、走って来た。




「哀っ」




心配そうな表情で見つめる純ちゃんを見たら、我慢してた涙が溢れ出した。




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