君だけを……。
これは、どう言ってなぐさめればいいのか、分からない。
どんな言葉も、直樹の耳には入らない。
そして、心には響かない。
それならと思い、冷蔵庫にあった両親の為のお酒を開けて、飲んだ。
テンションも上がれば、全て忘れるんじゃないかと思い、飲みまくった。
だけど、それが悪かったみたい。
普通に話して、ゆっくり飲んでたつもりが、
よっぽどショックだったのか。
直樹の飲むペースは、早かった。
それを止める暇もなく、酔い潰れたように私にもたれかかってきた。