君だけを……。
転校するちょっと前に、私の目の前に現れた。
あの時はまだ、付き合っていたはずだ。
睨み付け、憎しみをぶつけた彼女。
そんな相手と、別れたとは思えなかった。
「あ、そうそう。
純に聞いたよ。
あいつに叩かれたんだって?
悪いな」
愛しいものを見るかのような瞳で、私の頬を撫でた。
「俺、哀と浮気始めてから彼女ほっといてたんだ。
そんで、接してるうちに、哀が好きになってて別れた。
浮気始めて、すぐのことだけどな」