あなたの彼女になりたくて
小さな指切り
「ぼく、なっちゃんだぁいすき」



「わたしも、翔くんだぁいすき」



「大人になったら結婚しような」



「うん!!!」




小学校に入る前に交わした約束。


覚えてる?



私は、昨日の事のように覚えてるよ。




生まれた時から、いつも一緒だった。


一緒に遊んだり、お互いの部屋に行ったり来たり。




ご飯なんて、しょっちゅう一緒だった。



それが、当たり前だと思ってた。





いつからだろう。



距離を置くようになったのは。




あの日の小さな指切り。





温もり。


優しさ。





もう忘れてしまいそうです――――。
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