あなたの彼女になりたくて
「何か…夏希んちにお世話になれって…」




えっ……??


マジ!?



「うちは大丈夫だけど……」


何か……うれしいような恥ずかしいような…。




久しぶりだからかな。


「何か久しぶりに話すよな。家、隣なのにな」


「うん…別に避けてたわけじゃないよ?」



「俺だって…」


このギクシャクした感じが距離がある事の証拠。



あの頃のように戻れるのかな…?



「じゃあ、7時ぐらいに行くから」


「分かった…」



お互い、並んでは行かない。




ううん。



並んではいけないような気がして……




「夏希ー!!」



後ろから、ものすごい勢いで自転車を漕いでくる。


「おはよう、舞」




「おはよう。聞いてよ!!お母さんったら時間過ぎてから起こすの!!おかげで髪が巻けなかったぁ」



どこも一緒なのね…


この子は、私の親友の藤井 舞(フジイマイ)。超が付くほど明るい子。




気づけば、翔君はかなり前を行っていた。


「何か話してたでしょ?」




「うん……」


「よかったね」



「えっ?何で?」




「もう素直じゃないねー」


本当に素直じゃない。




かなり、うれしかったくせに。
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