あなたの彼女になりたくて
「大事にするとかいいながらゴメンな」



「ううん。すっごくうれしい」




優しくしてくれた。



十分、大事にしてくれてるよ。




「夏希、順番が違うんだけど……俺と付き合ってくれ」



「はい……」




涙が溢れた。



ずっと片想いだって思ってた。




夢にまで見た言葉。



一緒に住んでなかったら、ずっとただの幼なじみだったかもしれない。


口も聞かない感じの……



ほんと、人の運命って分からない。




翔君のお父さんと、お母さんが旅行に行かなかったら……


一緒に住んでないわけだし。



翔君のお父さんと、お母さんに感謝しなくちゃ。




「泣くなよ」


「だって…だって…」


「変だよな。昔は、あんなに好きって言い合ってたのにな」


「昔の好きと今の好きは違うんだよ」



愛の大きさがね!




こんなに、幸せな時間が……




崩れようとしてるなんて……




この時は、思いもしなかった。



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