あなたの彼女になりたくて
その日の授業は全く身に入らなかった。



こんなんじゃ、これから先が思いやられるよ……。




翔君のモテ期は、今に始まった事じゃないけど……


胸が苦しい。




舞や優樹奈ちゃんにかなり心配されながら放課後を迎え……



気が付くと、家に帰って来ていた。




今日1日、心ここにあらず状態だった。



こんなんじゃダメだ。




私は翔君の彼女。



そう彼女。




堂々としてればいいんだ。




「………あ~!!やっぱ気になる!!」



「何が?」




えっ……?



完璧、1人だと思ってたのに……




いつの間にか翔君が帰って来ていた。




「たっ…ただいまぐらい言ってよ…」



「言ったよ?」



「あっ…そうなの?ゴメン…気が付かなかった」




マジで、物思いに耽ってたな……。




「で?気になるって何が?」



「あっ…え~っと…」




ここは、勇気を出して聞くべきか……


それとも……誤魔化すべきか……




「もしかして、篠田さんの事?」


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