あなたの彼女になりたくて
頭もよくて、かわいくて……

でも全然、鼻にかけてなくて……

優しくて、いい人。



こんな人、男が放っておくはずない。


毎日のように告白されてるのに……

誰とも付き合おうとしない。



それって……

好きな人がいるって事?



どうか翔君ではありませんように……。

いっそのこと、誰か違う人が好きで、キッパリ振られてくれないかな…。



私って……かなり性格悪いよね…。

でも……願わずにはいられない。



昼休み、お母さんに電話をかけた。

「今日の夜、翔君がご飯食べに来るって」

「あら、ほんと?腕によりをかけて料理作らなくっちゃ」



今夜の食卓は、きっとご馳走が並ぶだろうな。

分かりやすい人。



私が帰って来るより、翔君が来る事の方がうれしいんだろうね。

私との夜ご飯は、精々おかずが一品か二品。



私が、あんまり食べないからだけど。


「何か、翔君んち、旅行に行ったみたいだよ」

「あらぁ、相変わらず仲がいいのね~。じゃあ、ご馳走作って待ってるって翔君に伝えてね」



はいはい。

伝えますとも。


はぁ~~。




「どうしたの?夏希」

「ん~今日、夜ご飯食べに翔君が、うちに来るから。うちのお母さん大喜び…」
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