あなたの彼女になりたくて
「確かに。でも……もういいんだ……」




泣きたくないのに、頬には次から次に涙が伝わる。





もう涙なんか枯れたと思ってたのに……




やっぱりダメだ。





悲しみに包まれてるはずなのに……




なぜか、いい匂い。





抱きしめられてる。




ほっしーに……。





「川島に泣かれると俺、どうしていいか分かんない……」



「あんまり優しくしないで……ただの担任なのに」





ただの担任。



そう思わないと……好きになっちゃいそうで怖い。





今なら、誰でもいいって思っちゃうから。




優しくしてくれるなら……





「ただの担任か……」




切ない目で見つめられる。



それも真っ直ぐ。




自然と目を閉じる。




ほんとに自然に。



キス……しちゃうの?




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