*春待つ疑問符*
その日の最終電車でこの街に降りたったのは、この街を初めて訪れたという若い男の人だったそうだ。


交番のベテランおまわりさん、瀬戸さんは、長年の勘で、悪い子じゃないと感じたらしい。


新人田口君は、どこかで見たことあるような…と思ったらしい。


瀬戸さんが、ハル先生に似てるんじゃないかと言ったらしいけど、田口君は、もっと別のところで見た気がする…と、言ったそうだ。


この2人の会話が、どっちも間違っていないということに気付くのは、次の日のことだった。


そして、僕だけの知る、ハル先生のヒミツがあっけなくみんなに知られることとなるのも、次の日のことだった。
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