*春待つ疑問符*
「おはよう、薫君、環。」

ハル先生はいつもの笑顔で言った。

おはよう、ハル先生。

「お邪魔でした?よね〜。ハハッ、失礼します。」

兄ちゃんは僕を抱き上げると、ハル先生に背を向けた。

「ハル君の生徒?」

ユウトが言った。

「そうだよ。環と、お兄ちゃんの薫君。」

ハル先生が言った。

兄ちゃんは僕を抱えたまま、振り返ると、ぺこっと頭を下げた。

「ハル先生の弟で、悠斗です。高岡悠斗。よろしく〜。」

なんだかおもしろそうな人だ。
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