*春待つ疑問符*
「どうして遅刻したの?」

イチゴちゃんが質問した。
さっきの質問の答えには、もう興味がなくなったみたいに。

正直、僕ら6人には、髪を染めた人もピアスした人も珍しくない。

みんな、兄ちゃん達で見慣れているし、東京に食いつくほど都会に興味もない。というか、東京ってどこだよ!

イチゴちゃんの質問は先生にだけではなく、僕にも向けられた質問だった。

「おたまじゃくし見てたんだよなぁ?」

先生が言った。
遅刻した僕は申し訳なさそうにうなずいただけ。

「また?好きだなぁ。」

カズマくんが言った。

「あっ、田んぼで見かけたんだった!」

イチゴちゃんが思い出す。

「僕も見たい!帰り行こうよ〜」

タクミくんが言った。

「タマキの寄り道は珍しくないようだな。」

先生はみんなののん気な会話で、僕の日常的な寄り道に呆れていた。

「先生はどうして遅刻したの?」

キヨちゃんが話を戻す。
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