*春待つ疑問符*
それでも大人は遅刻の理由を説明しなければならない時がくる…みたいだ。


僕らはそれぞれのカラフルなランドセルを背に、教室の入り口で待つ家族のもとに走り下校する時となった。


僕がお父さんとお母さんのもとにかけよると、2人は僕の両脇を固め、先生の前までずんずん進んだ。

そしてお母さんが言った。

「先生、初日からご迷惑おかけしました!」

僕はまた頭を抑えられて、それと共に両脇の2人の頭も下がっていた。

「迷惑なんて…
私の方こそ初日から遅刻なんて…すみませんでした。」

先生も頭を下げたところで僕らの頭は元の位置に戻った。

「いや…おかけでうちの子みつけていただいたわけで、なんとも言えないのですが…
何かあったんですか?」

お父さんがまだ頭の上がらない先生にたずねた。
そしてその答えに、周りにいたみんなが注目した。

「あの…ぎりぎりまで東京を離れる訳には行かない理由がありまして…結局こちらに来るのが遅くなってしまったといいますか…」

先生が申し訳なさそうに続ける様子に、キヨちゃんが口を開いた。
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