*春待つ疑問符*
「僕はこの街に来てまだ半年ですよ?そこまで覚える余裕もないですよ。これから、頑張ります。」

田口君が瀬戸先輩に言う。そして、僕らに向かって“ごめん”のジェスチャー。


「暇なのに…」

カズマ君が小声で言う。

僕らそろって頷く。

頭に“?”の、田口君。

「じゃ、僕たち帰るから。」

ヒロ君が言う。

「気をつけて帰るんだよ。」

田口君が言った。

「隣に帰るだけだよ。」

タクミ君が言った。

「あ…そう…」

田口君が力無く言う。

僕たちは僕たちの交番に帰った。

隣の交番からは田口君が覗いてる。
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