*春待つ疑問符*
定年間近の瀬戸先輩に代わってこの街を守るには、田口君はまだまだ頼りない。


“不審者発見!!”


僕は交番の前を通りかかった男の人を指差し、大声をあげた、瞬間…

田口君が走ってきて、僕の口を手でふさいだ。

「失礼しました、すみません。子供たちの遊びなんで…すぐ、やめさせます。ほら、君たちも謝って!」

田口君は必死だった。

僕たちに謝らせるのに、必死だった。

男の人は苦笑いでその場を後にした。

僕は小さな声で謝った。

カズマ君もヒロ君も、タクミ君も一緒に謝ってくれたけど、僕たちは悪くない。

田口君が頼りないから僕たちが頑張ってるだけ。

田口君は頭を抱えてたけど、瀬戸先輩ならわかってくれたはず。

はず……
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