*春待つ疑問符*
「あっ…あれ!」

商店街を抜けて、田んぼをわきに続く住宅街に来たとき、カズマ君が指差しながら呟いた。

「昨日の?」

ヒロ君が言った。

カズマ君の指差した先には、昨日僕が不審者と叫んで怒られたときの、不審者…怪しい男の人がいた。

「なにしてんのかな?」

タクミ君が言う。

僕らには今日も、あの人が不審者に見えた。

追跡しよう!

僕の提案に3人は小さな声で、

「お〜!」

と賛成した。

僕らは男の人と間隔をあけ、気づかれないように追跡した。

僕らはおまわりさんというより、刑事か探偵の気分だった。

カズマ君なんか、追跡しながら手は拳銃の形をしていて、先頭に立って、刑事長気取りだったし。
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