*春待つ疑問符*

*空回りルーキー。

その頃、カズマ君とヒロ君は交番に向かって走っていた。

「どうしたんだ?」

「どうしたの?」

2人の様子に声をかける大人たちはたくさんいた。

しかし、僕やタクミ君同様、焦りや混乱からうまく説明できず、走ってきた息のあがり様からうまく声にならなかった。

すると、前からやってくるのは田口君!

カズマ君とヒロ君は田口君にかけよった。

「大変だよ!カエデおばあちゃんちに…」

カズマ君が焦って言う。

「落ち着けって!カエデおばあちゃんちに…なんだ?」

田口君が聞き返す。

「どろぼうだよ!強盗だよ!昨日のあいつだよ!!」

ヒロ君が叫ぶ。

「はぁ?」

田口君がそう言ったとき、交番の瀬戸さんから無線が入る。

「まじかよ…!」

田口君は自転車に乗って走り出す。

「待ってよ!」

カズマ君とヒロ君が呼んでも、田口君は聞いてなんかなかった。
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