*春待つ疑問符*
学校の門をくぐるまでの道のり、僕はお兄さんにいくつか質問した。

どうしてそんな髪の色してるの?

「若白髪だよ。」

…かわいそうに。

お兄さんは笑った。

どうして3つもピアスしてるの?

「生まれつきの穴をピアスでふさいでいるんだ。そのままだと、風が吹き抜けて寒いだろ?」

ふぅん。
僕の兄ちゃんは自分であけてたよ。

お兄さんは笑った。

どっから来たの?

「東京。」

そうなんだ。
…それってどこにあるの?

「あっち。」

指差した方を見たけど、いまいちよくわかんなかった。

あぁ…あっちね。

「分かってないだろ?」

ばれたか。

僕らの適当な会話は、しばらく続いて最後にひとつたずねた。

名前は…?

「ハルト。」

ハルト君かぁ。
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