*春待つ疑問符*

*未来のヒーロー。

ねぇ、田口君!
やっぱり、決めポーズ、練習しておいた方がいいんじゃない?

ある日の放課後、僕ら4人は交番を訪ねて田口君に提案した。

「決めポーズ?」

そう田口君が言うと、僕ら4人はそれぞれの位置につき、かっこよくポーズを決めた。

田口君は笑うだけだった。

「冗談じゃなくってさ、ねぇ!」

カズマ君が言う。

「決めポーズはいいよ。」

田口君が言う。

「どうしてさぁ!」

カズマ君は引き下がらない。

「僕にはそんなかっこいいポーズ、まだ必要ないからね。」

田口君が笑顔で言った。

「必要になったらまた教えてよ。」

僕らは顔を見合わせた。

「どれだけ先になるかわからないね。」

カズマ君が冗談で言った。

「一生必要ないかも!」

タクミ君が笑った。

「おいおい…」

田口君は苦笑いだった。
< 57 / 128 >

この作品をシェア

pagetop