*春待つ疑問符*

*何も知らない。

次の日のカズマ君は元気がなかった。

ハル先生も僕達も、抜け殻みたいなカズマ君を心配した。

休み時間は空ばっかり眺めて、

お昼までだった授業も上の空、

帰り道、電信柱にぶつかるカズマ君は、誰が見てもおかしかった。

「カズマ君…どうかしたの?」

パトロール中、カズマ君を見かけたという田口君が、僕達にたずねた。

僕達は誰ひとり、答えることはできなかった。

配達帰りの八百屋のおじさんも、
コンビニのお兄さんまでもが、
カズマ君を心配していた。
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