*春待つ疑問符*
「昨日…2年生の…」

カズマ君はそれしか答えられなかった。

「俺は、カズマの兄ちゃんのこと、何も知らないけど、カズマの兄ちゃんなら優しくてかっこいい兄ちゃんだろうな。そうじゃなきゃ、こんないい弟は育たないね!」

ハル先生はカズマ君を立たせると、

「帰ろう。カズマの知りたいことは、カズマのお父さんとお母さんが答えてくれるはずだよ?」

そう言って、二人並んで歩き始めた。

僕、ヒロ君、タクミ君、イチゴちゃんもキヨちゃんも、みんな同じ歳のお兄ちゃんがいる。

キヨちゃんにはさらにお姉ちゃんもいるけど、


カズマ君にはもういないんだ。
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