*春待つ疑問符*
「ハル先生、お世話になりました。」

カズマ君のお父さんが言う。

「いえ…、カズマ君は大人ですね。」

ハル先生が言う。

「もうすぐ1年です、佑真がいなくなって。

和真は小さいなりにいろいろと思うところがあったでしょうけど、私達に気を使ってくれて、

本当に大人です。
かわいそうなくらい。

大好きなお兄ちゃんだったんです。

和真の同い年の子達にはみんな、佑真と同い年のお兄ちゃんお姉ちゃんがいるでしょ?

さらに辛かったはずです。」

「佑真君はお父さんの子です。

カズマは佑真君の弟です。

それに、この街がカズマを守ってくれますよ。

長谷部家を。」

「はい…。」
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