*春待つ疑問符*
「じゃなくて!なんで銀髪?」

しらないよ〜。

「…知らない、と。」

兄ちゃんはメモる。

「他にハル先生の変わったところって何かあるか?」

兄ちゃんみたいにピアスしてるとこ?

「ピアス…」

あとは…

「あとは?」

………ない。

「探せ!」

え〜

う〜ん…

う゛〜ん……

………………‥‥・

‥‥‥‥「寝るな!!」


あっ!ハル先生、お家がなかった!

入学式に僕と遅刻して、

お家がないことに気づいて、

うちでしばらく一緒に住んだ!

「遅刻する教師、

住むところがなかった…、

抜けてるというか、頼りないというか、

がっかり情報だな。」

兄ちゃんはメモするのをやめた。

そんなことないよ!

優しいし、おもしろいところだってあるし、かっこいいし、あと…頼りにだってなるよ!

「ふ〜ん。」

兄ちゃんはメモせずに呟いただけ。

メモしなよ!

僕は兄ちゃんのメモを奪って、ハル先生の良いところを書き込んだ。
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