*春待つ疑問符*
「環!ちょっとハル先生のところ行かないか?」

兄ちゃんが僕に耳打ちする。

「薫!もう夕飯までおとなしく勉強でもしてなさい!」

お母さんにばれる。

「気になってそれどころじゃねぇよ!ちょっと挨拶するだけだからさ?」

「ダメ!」

「環が世話になってんだ。兄ちゃんが挨拶にいってなにが悪いんだよ。」

「挨拶以外のことも企んでるでしょ。」

「…じゃあ勉強教えてもらってくる。」

「ハル先生は小学校の先生なの!薫、あんたの頭は小学生なの?」

「小学校教師だってなぁ、高校行ってんの!環、行くぞ。」

「ったく…すぐ帰ってくるのよ!」

「わかってるって…って環寝てんなよ!」

あぁ、終わったの?

兄ちゃんと僕はハル先生んちに向かった。
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