席替え
『この、イオンは塩酸を…』

今は1時間目の理科の時間。
そんな時、大くんがコソコソと話をかけてきた

「ねぇ。優ちゃん」

「ん?なに?」

「あのさ単刀直入に聞いていい?」

「えっ…いいけど」

「じゃあ遠慮なく聞くね」

「うん」

なんだろう?

「優ちゃんさ、海斗のこと好きでしょ」

…えっ?

「えっ?えっ?!やっ!すっ好きじゃないよ!」

「えー本当?」

「ちょっと大橋くんに聞こえるじゃん!」

「大丈夫大丈夫!今寝てるから!」

いや、寝ててもね…

「で、どうなの?好きなの?」

「やっだから好きじゃないって!」

「うそだー。うそだね」

「いや、本当だって!」

ここでそうだよなんて言ったらいくらなんでも寝てるからって告白してるのと同じことじゃん!

「…まぁいいや。」

ホッ。よかった。バレなくて

「アタシが大橋くんのこと好きじゃないって理解してくれてよかったよ」


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