まんが家サンは、恋愛禁止?!
□念願のデビュー
小学6年生から憧れてた職業、
「漫画家サン」。
その夢を叶えるために、
これまで頑張ってきた。
ずっとーーー…。
「で・き・たっ!」
瑠未は原稿を手にし、
溜息混じりに叫んだ。
ふぅ~…。
これで8回目の投稿作品…、かな?
「あとはポストに入れるだけ~っと。」
そのまま階段を駆け下り、
玄関へ走った。
ママがキッチンから顔を覗かせる。
「あら、どこに行くの?」
「ちょっとポストに、ね。」
「あ、そう。気をつけてね。」
「は~い。」
ママの適当な言葉にイラっとしつつも、
靴を履き、外に飛び出た。
冷たい秋風が、瑠未のボサボサな髪を
なびかせる。
はいた息が白くなって外に出る。
瑠未はマフラーで口元を隠し、
近くにあるポストまで走った。
< 1 / 44 >