恋水〜悲しいだけじゃない嬉しい涙もあるよね〜
歩き出した私に、
柊さんが右腕をつかんで
私の動きを止めようとしていた。

振り向きたくなかったけど、
自分から振り向いた。


「 唯愛、オレ…。 」


私の腕をつかんでいる手をゆっくり外し


「 柊さん、
私ね…
なんとなく気が付いていたの。
私以外の女の子いるかなぁ?ってね。
花歩さんと、
会った日だったでしょ?
この前は…
だから、
この手に触れてほしくない!
って思ったの…。
私、柊さんが好きだよ。 」


「 だったら、卒業なんて…。 」


私は小さく首を横に振り、
でも、
まっすぐに柊さんを見つめた。


「 柊さん好きだよ。
でもね、
今までのメール読み返しながら、
気がついたの。
私の本当の気持ちに。
自分の父親みたいに好きなんだってことに…。
私、父親いないから…
今までわからなくって、
柊さん、
ごめんなさい。 」


「 父親みたいに
思ってくれてもいいから、
唯愛に
そばにいてほしい。 」

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