恋水〜悲しいだけじゃない嬉しい涙もあるよね〜
成人式の前夜。

特に振り袖が着たいわけじゃなかったから、
じぃにワガママ言えなくて…
スーツで式場に
行くことにしていた。


仕事帰り
K駅についたとたんに
携帯が鳴り出した。

マナーモードにしわすれて、
けたたましい音楽が
駅構内に響きわたっていた。


「 もしもし…。 」


名前見忘れて携帯にでてしまったから、
控えめに話し出した。


「 唯愛ちゃん?
体調でも悪いのかな? 」

「 真子さん、
こんばんは。
体調は絶好調ですよ。 」


真子さんだったから
安心した。
近くにあるベンチに
腰をおろした。


「 唯愛ちゃん、
明日は振り袖で行くの? 」


「 いいえ、
スーツですよ。
式場に出たあと友達と遊ぶし…。 」


「 振り袖で写真は撮ったの? 」


「 いいえ、
そんなこと考えてなかったし、
明日は午前中仕事だし…。 」


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