恋水〜悲しいだけじゃない嬉しい涙もあるよね〜
めちゃくちゃ恥ずかしくって、
絶対顔が赤いと思う。

でも…。


「 えっと…
先ほどは…
いっぱい泣いてしまって
ごめんなさい。 」


座っている二人に
深々と頭をさげた。


「 そんなこと気にするなって。
泣きたいのをガマンしてるほうが、
よっぽど辛いんだからね。 」


寿明さんの言葉に大きく頷いた。


「 ねぇ、唯愛ちゃん。
いっぱい泣いたから
お腹空いたでしょう?
何か作るよ。
少し食べなきゃね。 」


確かにお腹が空いて、
目が覚めたのかもしれない。
キッチンに向かう真子さんの背中に


「 私も手伝います。 」


真子さんのあとをついていくように歩き出したら。


「 唯愛ちゃん。 」


私はその言葉に振り返り。

「 今日は真子に甘えていいんだよ。
真子も唯愛ちゃんに甘えてもらいたいんだからさ。 」


「 そうよ。
今日は私に唯愛ちゃんのゴハン作らせて。
カンタンなのしか作れないけどね。 」


私は、
またソファに座り直して
寿明さんと真子さんの
料理をしている姿を見ていた。
< 173 / 210 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop