恋水〜悲しいだけじゃない嬉しい涙もあるよね〜
「 真子、オレのも作ってくれよ。
この、いいにおいにお腹が反応してきたよ。 」


「 そういうと思ったから三人分作ってるわよ。
この大好きなにおいに二階にいるくせに、
気がついて起きてくる人がいるもんね。 」


真弥ちゃん帰ってきてたのかな?
私寝てたから気がつかないだろうけど…
なんて考えていると
階段をおりてくる足音が聞こえてきた。


「 何みんな揃ってるの?
ボクのけ者なの? 」


リビングに入ってきて
寿弥くんは私と目が合ったとたんに、
少し赤面して下を向いた。

私は、
その寿弥くんの行動に
首をかしげていると
この空気を変えようとしているのか?
寿明さんが、
ちょっと大きめな声で。


「 寿弥の鼻はすごいからなぁ。
おいしいにおいには、
どんなに離れていてもわかるからなぁ。 」


その言葉に寿弥くんは、
ほっとした顔をしている気がした。
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