恋水〜悲しいだけじゃない嬉しい涙もあるよね〜

唯愛は
窓にピタッと手をついて
校庭を眺めていた。


「 坂東先生！
私１５歳の誕生日なんですよ。
今日が!!
だから…
坂東先生に
今日の私を書いてほしいんですけど…
あっ！
時間ないですもんね…
鉛筆でいいですから…
ダメですか？ 」


唯愛は、
オレの返事がダメって言われるのか？
と思っているのか
オレと目を合わせないでいる。


「 それくらいいいよ。
今日簡単に描かせてくれるかな？
でも…
誕生日プレゼントなら
しっかり桜川を描きたいから
今日仕上げなくてもいいよね？ 」


唯愛は
照れくさそうに
微笑みながら


「 私…
めちゃくちゃワガママ言ったかな？ 」


そんな唯愛が可愛くて…
思わず微笑んでしまった


「 ほら時間ないんだから、その椅子に座って！ 」


オレは近くの椅子を指差し
スケッチブックを取りにいった。