恋水〜悲しいだけじゃない嬉しい涙もあるよね〜
鉛筆で描くのも
ほとんど終わって…

ヤバイ!
もう7時近くになっていた。


「 桜川、
家まで送るよ。
遅くなったし…。 」


さっきまで
楽しそうに笑ってくれていた唯愛が
突然暗い表情になっていく…

なんだか泣きそうな顔をして


「 坂東先生…
私車ダメなんだ…
ごめんなさい。 」


オレは、何故?って顔をしていたんだと思う。
そんなオレに唯愛は
ムリして笑いかけて


「 坂東先生、
大丈夫ですよ。
私一人で帰れますから。 」


「 車がダメなら歩いて行こう。
こんな時間に一人で帰すわけにいかないし、
オレは桜川を一人で帰したくない。 」


オレはあわてて戸締りを確認しながら


「 外で待っててくれるか?
他の戸締りしたら、
すぐに行くから…
あっ!
やっぱり職員室前にいて
外かなり暗いし…。


オレはどうにかしてでも
唯愛を一人で帰したくなかった。


唯愛は笑いながら
小さく頷いてくれた。
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