恋水〜悲しいだけじゃない嬉しい涙もあるよね〜
大きなバッグを玄関まで運び
コートを取りに部屋に行くところで


「 T駅までは行かれないけど、
途中までなら仕事で行くから、
そこまで乗せてくよ。 」


険人くん
パパの弟だから一緒に生活してるんだけど

なんでT駅って知ってるのか?
まあ、いっか。


「 うん!
お願いします。
今日は寿明さんとこで、お泊まりなんだよね。 」


大きなバッグを抱えて
話をしている私のことをみて
軽く笑いながら


「 楽しそうだな、
寿明さんたちは優しいからって
甘えすぎないように
迷惑にならないようにしなよな
まあ、
みなさんによろしく伝えてな。 」


N駅まで送ってくれたから
T駅までは
あと少しだった。


「 本当は仕事じゃなかったら
寿明さんとこまで
送ってあげたかったけどなぁ…。」


寿明さんへの手土産を私にたくしながら、
車から降りた私に
ちょっと寂しげに伝えてきた。


「 こんなに近くまで送ってくれて、
ありがとうです
楽しんできます。 」


手をふり
N駅にむかい歩き出した。
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