【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~

初めは、イレギュラーという存在そのものに対する純粋な好奇心から、彼女の保護に、協力を申し出た。


だが、実際会ってみたら、もうだめだった。


超能力など必要がないくらいに、分かりやすい、くるくると変わる表情。


何事にも一生懸命で、純粋で。


『彼女』とは違う、


でも確かに、彼女と同じ魂の色をもった、少女。


彼女に惹かれた者ならば、おそらく惹かれずにはいられないだろう、奇跡のような存在。


優花との出会いからわずかの間に、晃一郎は、目に見えて、昔の自分を取り戻していった。


何よりも、心から笑うようになったし、


こうして、リュウのところへ顔を出すようにもなった。


その原動力が、保護欲なのか、


それとも――。

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