【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~

たまには、外でエンジョイしようぜぇ!


との、親友、玲子のお誘いに乗り、優花は、地元で唯一の森林公園へ足を運んでいた。


公園の中ほどにある、芝生が敷き詰められた広場に、レジャーシートを広げて、ごろりと寝転んだ優花は、ぼんやりと、空を見上げていた。


玲子は、リュウと一緒に、売店へ食料の調達に行っているから、当分帰ってこないだろう。


玲子から、リュウと『結婚を前提にしたお付き合い』をしていると打ち明けられたときは、驚いたけれど、


とても、嬉しかった。


今は、日本の大学で、経営のなんたらという勉強にいそしんでいるリュウと、新進気鋭のティーンズノベル作家の玲子。


二人のやり取りを見ていると、まるで『夫婦漫才』を見ているみたいで、ほほえましい。

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