【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~

黒髪の人々の中にあって、異彩を放つ、金色の頭髪。


さらさらとなびく、柔らかそうな髪をかきあげながら、確かな足取りで歩み寄ってくる人物。


足元は、白いスニーカー。


ブラックジーンズに、白いシャツ。


右耳には、銀のイヤーカーフ。


そして、風になびく金色の髪。


色素の薄いライトブラウンの、まっすぐな瞳が、優花を捉える。


きゅっと、


笑いの形に、上がる口角。


その人物を、視界に捕らえた、瞬間、


優花は、レジャーシートから飛び起きて、大地を蹴った。

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