【黄昏の記憶】~ファースト・キスは封印の味~

晃一郎は一言も反論できず、でも、明らかに不服そうな渋面を作った。


「ナァニ? 

御堂、アタシに知らせないでバックれるつもりだったんだ? 

へぇ、さすがに特Aランク様はやる事がエゲツなくていらっしゃる」


優花の頬から自分の頬を引きはがし、でも首に回した手は離さないまま、玲子は、ギロリと鋭い眼差しと棘だらけを言葉を晃一郎に投げつける。


あれれ?


もしかして、晃ちゃんと玲子ちゃんって、犬猿の仲なの?


にらみ合う二人をポカンと見ていたら、そんな優花の気持ちを読んだみたいに、


「違うわよ、恋敵だったの! こいつは、アタシの大事な親友を毒牙にかけた憎っくき野郎なのよっ」


と、玲子は、優花に大きすぎる声で耳打ちをする。


それって、恋敵?


というか、玲子ちゃんも心が読める人?


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