僕が男だったら

「何故男子が苦手なんですか？」

『その前に、敬語でなくて大丈夫だ、君と私な同学年だろう。男子が苦手な理由か…自分が男みたいだから、昔から男子には男みたいと言われ女子には男子より男っぽいと言われるからだからかな。』

「俺もその苦手な男なんだけど」

『すまない。君は何か女っぽいと、電車で見た時からそう思っていた。』
俺は驚いた。電車の時…彼女は俺に気付いていた事と覚えていた事に。

「気付いてたんだ。」

『そりゃ、あれだけ大きい声で自分の事を言われれば誰でも気付く。しかも、私は君に少し興味が沸いた。』
すごい失礼な事をしてしまったのだととても恥ずかしくなり頭を下げた。

『いい、いつもの事だから気にしていない。有希奈が現れてからは有希奈に興味が移っていったようだし、特にお友達の方は。』
彼女はすごい、人をよく観察している、それも客観的に。
「俺は…」

『茜？まだかかる？』
いきなり扉が開き佐藤さんが入ってきた。俺と佐藤さんはビックリしたが、彼女は冷静だった。
『有希奈、お願いだノックをしてくれ驚く。』

『あっごめん。でも、何で君がここにいるの？』