僕が男だったら
あれで驚いているという事に、俺は驚いている。

『仕事を手伝って貰っている、とても有望な方だ。お陰で昼からは練習に参加できそうだ。』
『ふぅん。』

佐藤さんは俺を凝視してきた、たしなめるかのようにそして警告するかのように。

『分かった。じゃぁ早く来てね。そこの君ありがとう。』

そう言って佐藤さんは去っていった。
電車の中での印象とは違い結構冷静な人だ、電車での彼女とさっきの彼女は別人みたいだった。
『有希奈がすまない。君の事を少し警戒していたみたいだ。』
「お二人は仲が良いんですか?」

『幼馴染みで私の良き理解者だ。』

表情は変わらないがとても嬉しそうな彼女を見た気がした。


『手伝ってくれてありがとう、もぅ後は私一人で大丈夫だ。』
彼女はそうは言った、まだ結構な量の書類が机の上に置いてあった、俺は何も言わずに書類を取り入力を再び始めた。
彼女は、戸惑ってはいたが何も言わずパソコンを打ち出した。

ただパソコンを打つ音だけが響くいい空間だった。



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