僕が男だったら

『いや、私はこの部屋で食べる。頼めば持って来てくれるからな。』
「何故？」
『私はあまり沢山の人の中にいるのは好きではない、しかも賀新学園の方々は私がいると気をつかうと思う。』
彼女は苦笑いで、どこかそんな彼女を見るのが辛かった。

「なら俺の分も持って来てれるよう頼んでくれる？」
俺は、もう少し彼女の事を知りたかった。電車の中の彼女と今目の前にいる彼女とでは、何か違和感を感じるから、初めて以上に興味が沸いた。

『君もここで食べるのかい？』「ダメか？少し疲れたし、下にいる友達はもっと疲れる。しかも、俺は女子が少し苦手なんだ。」
『私も女なのだが…まぁいいだろう。』
彼女には失礼だったが、俺は本当の事を言っただけだしお互い様といった感じだしな。

彼女は携帯を取りだし誰かに連絡をしていた。
『佳歩か、昼食を２つ生徒会室に持って来て欲しいのだが、あぁ２つ持って来てくれ…客人がいるのでな。分かった、待っている。ありがとう。』
彼女は淡々と電話の相手と話をして切った。
彼女はどんな相手にも律儀なのだろう。