僕が男だったら

『食べるか？』
そう言われ、生徒会室にあるソファーに向かい合って座り、置かれた弁当を開けた。
「すげぇ。」
思わず言ってしまった。目の前にある弁当は高校生が作ったとは思えない弁当だ、お金を取られてもいいぐらいだ。

『うちの調理部は、皆良い子で腕も良い。よくお弁当をいただくから味は保証できるぞ。』
と言いながら食べだした。

言われたとおり、美味しい毎日これが食べれたら幸せだろうなぁ。

そんな事を考えているが、全く会話がない、とても幸せと言う空気ではない。


「高盛さんは、何故弓道を？」少し話がしたかった、話題は何でも良かった。

『私の家は弓道場で、昔から馴染みのあるスポーツだからだ。あと、高盛は止めてくれないか…皆に茜と呼ばれているから』
「そうか、うちと似ているな。でもいいのか？今日会ったばかりの男なのに？」

俺は彼女が高盛と呼ばないで欲しいと言った時正直ビックリした。彼女は、自分で男が苦手だと言ったからだ。

『君になら構わない。並樹の家もそうなのか？』
俺は呼び捨てなんだ、まあいいけれど

「うちは、剣道場だ。母は華道をしている。」