僕が男だったら
『茜、またメガネじゃん。もっと女っぽい格好しなよ、またモテるよ?女の子に。』

『これが、楽なの。いつも言ってるでしょ?』

『もぅ頑固なんだから』

二人の会話は筒抜けだった。
茜と呼ばれている人は、メガネ・パーカー・ジーパン
その友達は、胸元の開いたセーター・スカート
端から見るとカップルだ。


「やっぱり可愛いなぁ。彼氏いんのかなぁ?」
隼人は、まだ言っている。そんなのどうでもいいんだ。
それよりも、あの人が気になって仕方なかった。なぜかは分からない…


『茜、この前A組の麻由美ちゃんに告白されてたでしょ』
その言葉に衝撃を受けた。隣の隼人はもっとすごかった。

『うん。うちも女だから断ったよ』

『皆言ってたよ。あんたが、付き合うんじゃないかって?』

『はぁ?』

『うち女子高じゃん、そっち系の子いるらしいし。気を付けなよ。』

『そっち系って、駅着いたよ。』


二人は、俺達の横を通って行った。

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