守るべきもの
家に帰ってから、5人に何か接点がないか考えた。


村山…内科医
長谷川…外科部長
私…救命医
清水…看護師長
飯田…病院長


(なんだろう?)


共通点は、同じ病院に勤めている事ぐらいだ。

卒業した大学も違うし、交遊関係も違う。


頭が痛くなって、シャワーを浴びようとした時に、携帯電話が鳴った。


着信は「中田修平」と表示されていた。


「大丈夫か?」


無性に会いたかった。


「大丈夫。考えたんだけど、接点が分からなくて…ごめんね。」

修ちゃんは、フッと笑った。

「沙依は、本当にマジメだなぁ。ま、そんな所が可愛いけどな。」


「だって…」


修ちゃんは、急にマジメな声で

「充分気を付けるんだぞ。」


そう言い残すと、電話を切った。

私は、切れた後も電話を耳に当てて立ちすくした。

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