守るべきもの
家に着くと、修ちゃんがカレーライスを作っていた。


「腹減ったろ?」


腕捲りをして、料理をしている修ちゃんが、いとおしく思えた。


私は、後ろから抱き着いた。


修ちゃんから、日向の匂いがした。きっと、1日中聞き込みをしていたんだろう。


修ちゃんは、何も言わずにジッとしていた。


私も何も言わなかった。

ただ、鼓動を感じていたかった。


私がいなくなったら、修ちゃんどうするかな?


モテるから、すぐに他の女(ひと)を見つけるのかな?


修ちゃんには、幸せになってもらいたい。


私の考えが分かってしまったのか、修ちゃんは少し怒ったような口調で言った。


「オレには、お前だけだから。絶対に離さないからな。どんな事があっても。」


私は、小さく頷いた。
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