守るべきもの
5分後に救急車が到着した。


私は、運ばれてきた患者の顔を見て、息を飲んだ。


「病院長!!!」


一緒に救急車を出迎えた看護師が、青ざめて叫んだ。


(高所からの転落って…自殺しようとしたの?まさか、誰かに突き落とされた?)


私は、目眩がした。救急隊員が血圧等を告げていたが、全く耳に入らなかった。


きっと、病院長は助からない。今までの経験が告げていたが、私は背筋を伸ばすと、看護師に指示をし、治療を始めた。
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