守るべきもの
現場は、帝都中央病院の地下にある職員駐車場であった。


白い車の横で、看護師長の清水 佐知子が仰向けで倒れていた。


腹部を何度も刺されていた。


「ひどいな。」

思わず大橋が呟いた。

「目撃者は、いないのか?」

修平は現場を保護していた制服警官に聞いた。


「残念ながら、目撃者はいません。ただ駐車場にある防犯カメラの映像は入手しています。」


「そうか…」


修平は、鑑識の杉田を見た。


「断定は出来ないが、村山医師と同じ凶器だろう。見つかってはいないがな。」


「そうか…また分かったら、連絡してくれ。」


「沙依ちゃんは、大丈夫か?」


「あぁ、頑張ってるよ。」


杉田は沙依のファンだ。
いつも、お前には勿体無いと言われる。

その通りだ。修平は、沙依の悲しそうな顔を想像した。


「じゃ、カメラの映像見てくるよ。」


現場を鑑識に任せて、警備員室に向かった。
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