守るべきもの
少し、映像は粗かったが誰かは認識できるくらいだった。


「ん?」


修平と大橋は、映像に集中した。


画面の上には“4:45”と表示されていた。


マスクとサングラスをした男が駐車場に入っていく映像だった。凶器が入っているであろう鞄も持っている。


「この映像をプリントアウトして、病院長に観てもらおう。」


病院長が見たという靴は、白に緑のラインと、ごく普通のスニーカーに見えた。


サングラスの男は“8:27”に駐車場を出ている。


男は、職員の出勤時間を知っているのだろう。


早番の出勤前に駐車場に入り、日勤の出勤後に出ている。


掃除業者なら、知りうるかもしれない。


修平は、大橋の方を向いた。

「もう1度、クリーン矢代に行ってみよう。」
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