守るべきもの
私を護衛していた制服警官が、家にやって来た。

「ちょっと見てほしいのですが。」


サングラスとマスクをした男の写真を見せられた。


「看護師長を殺害したと思われる男です。お心当たりありませんか?」


私は、ジッと写真を見つめた。


「ゴメンなさい。わかりません。」


制服警官は、爽やかな笑顔を見せた。


「いいんですよ。そろそろ、出勤時間ですよね。」


「はい。」


「待ってますんで。」


「どうぞ、上がってお茶でも。」


「いや、勤務中なんで。」


私は、微笑むと


「何もないけど、これ。」


チョコレートを差し出した。


「ありがとうございます。甘いの好きなんで嬉しいです。」

制服警官は、再び爽やかに笑った。
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