守るべきもの
帝都中央病院に到着した修平と大橋は、まず病院長の病室に向かった。


病院長は元気そうだった。生命力の強い男だ。


「すみませんが、写真を確認して頂けますか?」

修平は、寺島の写真を見せた。


病院長は、覚えていると答えた。


「仕事が雑な男だったよ。四角い部屋を丸く掃除するタイプの男だった。その割には、救命センター付近はキレイにしてたな。」


「どうしてでしょう?」

「なんでも、後藤先生に惚れていた…というウワサだった。あ、すまないね。彼氏の前でこんな事を言って。」


「いいえ。」


修平は、笑顔で答えたが心中穏やかではなかった。


キレたら何をするか、分からない男のようだ。


「この男が犯人なのかい?」


「いえ、証拠はないです。重要参考人です。」


「そうか…顔の輪郭は似ている気がするが、断定は出来ないな。すまないね。」


「ありがとうございました。」


修平と大橋は、次に救命センターに向かう事にした。
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